更科そばとは?

白い蕎麦は更科そばと呼ばれています。(厳密には更科粉を使用したそば)呼び名として「一番粉」「更科粉」「御前粉」などが挙げられます。

更科粉というのはロールで挽いた時に、篩いにかけて一回目に出てきた粉が、白いそば粉ができ、なおかつ一番目に出来ることから、白いそば=一番粉=サラシ粉系という風に呼ばれるようになりました。

御前粉は白く綺麗なそばであり、なおかつ作ることが難しく、少量しか取れない希少価値のある上品なそばということから、お殿様に献上する蕎麦粉の名称として「御前」に献上するそば、御前粉と呼ばれるようになったといわれております。

そばの実の中心部分の胚乳からできており、でんぷん質が主で出来ております。白く、つるっとした食感が特徴です。香り、味はほとんどありません。白を活かし、ゆずや抹茶等の変わり蕎麦に使用されます。

田舎そばとは?

一般的に太く黒い蕎麦のことです。江戸時代ごろから石臼が普及し始め田舎にあった石臼で玄蕎麦を挽いて手打ちした蕎麦が黒く太かった事から、田舎のそばという意味で呼ばれたと一説あります。そば殻(そばがら)を挽きこむので独特な香りとぬき実で挽いたものとは違う風味があります。

黒い蕎麦は風味があるので、そばつゆに負けにくいため濃いめのそばつゆによく合います。また、風味があるので、温かい蕎麦にむいています。

並そばとは?

更科そばのような白いそばでもなく、田舎そばのように黒いそばでもない蕎麦を並そばと呼んでいます。2番粉が主体の蕎麦粉を使用したそばになります。

割粉(つなぎ)とは?

割粉は小麦粉のことを指します。そば粉に割って使う粉ということから、小麦粉を割粉と呼びます。つなぎは蕎麦が切れやすい為、混ぜ合わせる事により蕎麦をつなぐという意味で使われています。ですので、一般的にはつなぎは小麦粉ですが、へぎそばに使われるふのりもつなぎになります。

小麦粉は大まかにすると3種類に分けられます。小麦粉の種類はタンパク質の含まれる量や性質で分けられています。強力粉(パン・中華麺等用粉)・中力粉(うどん用粉)・薄力粉(菓子・天ぷら用粉)割粉は蕎麦が切れないようにする目的があるため、標準でお勧めするのは、中力粉以上の物になります。

蕎麦が切れないようにするならば、強力粉使用すればいいのでは?と浮かんできますが、強力粉はつなぎとしての役目は強いのですが、つなぎが強いために麺が固くなってしまいます。ガチっとした麺になり、食したときに合わないなと感じる事があります。

また小麦粉には白や黒い物、小麦の香りや風味の強い物もあります。小麦粉の色や固さ、特性によって麺の食感が変わってきますので、麺のイメージで決めましょう。

弊社では蕎麦つなぎ用粉として準強力粉(中力粉以上の物)をお勧めしています。

手打ち蕎麦とは?

お蕎麦屋さんで手打ち蕎麦と掲げている店舗があります。手打ち蕎麦は、そばを作る際の工程をすべて手で行ったものを指します。

(水回し→こね→練り→延ばし→切り)

また、手打ちする際の工程を一部手で行ったもの、手打ちのすべての工程を機械によって行ったものを手打風と呼び分けて表示することになっております。

もりそば・ざるそば・せいろそばの違いは?

もりそばとざるそばは一般的にそばの上に海苔がのっているかいないかの違いです。

海苔がのっていないそばをもりそば、海苔がのっているものをざるそばと呼び分けています。海苔がのっていなくとも、うつわが竹ざるで提供している店舗ではざるそばとしている所もあります。

ではせいろそばはというと、江戸時代にそばを蒸籠(せいろ)で蒸して提供していた為、せいろそばと呼ばれているといわれております。

もりそばとせいろそばは呼び方が違うだけ、海苔がのっかっているそばをざるそばと分けているのが、一般的になります。

へぎそばとは?

蕎麦をふね(蕎麦を麺取りした時に、麺を入れて並べて保存する為に使う木の入れ物)に 入れて保存してるのですが、新潟地方では剥ぎ板で作った入れ物をへぎと呼び、ふのりをつなぎ代わりに使用した一風変わった蕎麦を入れていたことから、ふのりを使用した蕎麦を「へぎそば」と呼ぶようになりました。盛り付け方も特徴があり、小分けそばのように1食ずつ盛り付けられています。

へぎそばの作り方はここをクリック

新そばとは?

そばが収穫さてから1~2カ月で提供される蕎麦を新蕎麦と呼んでいます。一般的には秋(10月~12月)に収穫されたもの新蕎麦と言われていますが、近年では栽培形態も変わり夏(6~8月)に収穫されるそばもあり、夏の新蕎麦(夏新)・秋の新蕎麦(秋新)など言われています。

新そばは何故美味しいの?

そばが美味しくなる条件として、そばの成熟期に昼夜の寒暖差が10度程度の地域で栽培された物が良いと言われています。新そばが収穫される時期にはこの栽培条件になる所が多く、新そばとして出荷されるそばが美味しいそばになります。

新そばの加水量は?

新そばと前年のそばの加水量は大きく差はありません。よく新そばだから(フレッシュ)加水量は少なく済むようになる?と聞かれます。

確かに新そばの原料での比較をすると前年のそばよりは水分量は多いです。ですが、製麺してみると新そばなのでそばの加水量が少なく済むとは限りません。

逆に、新そばを打ってみると加水量が多い方が丁度良いという場合があります。新そばが来た際は今までと同じ加水量を用意し、9割方加水して様子を見て調整するようにしましょう。

加水量の多い、少ないは湿度と温度によって変化します。夏の高温多湿の時は水が少なく済み、冬の低温で乾燥した時期には水が多くなります。また、晴れた日や雨の日での寒暖差と湿度変化により加水量が2%ぐらい変化するのでそば粉と会話をし、丁度良い幅を探っていきましょう。

そばの水は何が良い?

そばを美味しくする方法として2か所の水にこだわると美味しくなります。まず1点は、そばを作るときに加水する水です。弊社で複数人を集め試食テストを行い、水道水と浄水での比較をしました。

その結果浄水で食べたほうが美味しいと答えた人が多かった。また、軟水と硬水でも調べた結果軟水の方が美味しいと答えた人が多かった。

もう1点は、洗う時の水です。最終的に口に入る際にそばと水がくっついています。水道水と浄水で比較した結果、浄水の方が美味しいという方が多かった。

そばを作る時は、美味しい水を求めましょう。

そばの保管方法は?

そば粉は挽いた時から風味・香りが損なわれていきます。美味しい蕎麦を提供するには、早い期間で使い切ることが大切です。5月連休後から新そば時期までは、そば粉が傷みやすくなってくる時期です。連休後から気温が高くなり、湿気も多くなります。その条件は蕎麦粉が傷みやすくなるため、きちんと管理しましょう。

室内保管の場合は、涼しく日の当たらない風通しの良い場所で管理してください。人が過ごしやすいと感じる場所で保管するのが一番良いです。ただし、エアコンをつけている場合、風が蕎麦粉を乾燥させてしまう為、ポリバケツ等の容器で包んであげましょう。

また、床に直に置かずにすのこ等を使い、風通し良くし、防鼠虫に気をつけましょう。冷蔵・冷凍庫保管する場合は、匂いを防ぎ、冷たい風があたらないようにビニール等に包んで保管してください。

そば粉を使う際には、冷蔵・冷凍庫から外に出さずに必要な分だけ取り出して下さい。冷蔵・冷凍庫から全部出して作業をすると、温度差により結露してしまう場合があり、傷んでしまう場合があるからです。