そば太郎

へぎそば作りにチャレンジ!
by そば太郎

普通の蕎麦は、蕎麦粉とつなぎ粉(小麦粉)を混ぜ合わせて麺にします。へぎそばは、つなぎ粉の代わりにふのりを使用して作ります。蕎麦粉8割:ふのり2割ぐらいが美味しいへぎそばの割合です。ふのりが増えるほど、ふのりの味・蕎麦のコシ・つるつるとした食感が強くなり、ふのりの美味しさが増しますが、原材料費も比例して高くなります。

今回の実験のポイント

へぎそばを作る際にふのりを混ぜ合わせますが、銅なべで化学変化を起こさないと綺麗な緑色のかかった蕎麦にはなりません。作るのにはどれくらいの時間が必要なのか?、また、簡単に出来る方法を模索しながら3通り実験してみました。へぎそばを作ろうと考えている方のヒントにつながれば幸いです!

作り方1(実験例)

準備したもの

蕎麦粉400g

蕎麦粉400g

銅なべ&しゃもじ

銅なべ&しゃもじ

乾燥ふのり30g

乾燥ふのり30g

水

※銅なべは合羽橋で普通のなべの3~4倍の値段でした。また、銅なべの内側は通常は錫鍍金しているため、購入する際に内側に錫のない銅無垢のなべを注文する必要があります。

煮込み開始

乾燥ふのりを銅なべでどれくらい煮込む(化学反応させる)と使える状態になるか、変化を見るために1時間かけて弱火でゆっくりと煮込んでみました。

煮込み始めの状態

煮込み始めの状態

時間が経過し、だんだんと緑色に変化

時間が経過し、だんだんと緑色に変化

全体が緑色に変化

全体が緑色に変化

乾燥ふのりを1時間煮込んだ繊維質が残った状態

乾燥ふのりを1時間煮込んだ繊維質が残った状態

繊維質の部分は最後まで溶けることなく多く残り、全部煮込むまではいきませんでした。繊維質が残ったままの状態でへぎそばを作ってみますと1時間煮込んで出来上がったふのりは約370gになりました。水を足しながら、徐々に煮込んだために出来上がりが12倍にもなりました。

※今回は実験のために、煮込んでどれくらいの水が必要なのかわからないので水を足しながら煮込みました。そのため必ずしも出来上がりのふのりの量が一定して取れません。商売で使用するには、通常使用しているコンロの火加減と水の量を測らないと毎回同じものは出来ませんので各自のマニュアル作りが肝要です。

一番粉系のそば粉8割にふのりを2割入れて作る

そば粉とふのりを混ぜ合わせ

そば粉とふのりを混ぜ合わせ

そば玉にした状態/ぽちぽちした繊維質が目立つ

そば玉にした状態/ぽちぽちした繊維質が目立つ

そば粉とふのり混ぜ合わせロール麺機で麺にした状態

そば粉とふのり混ぜ合わせロール麺機で麺にした状態

ふのりだけでは加水量が足りないために、そばの様子を見ながら水を足していきます。出来上がったふのりのみで加水量が調整出来るようになれると良いのかもしれないです。

茹で上がったへぎそば

茹で上がったへぎそば

作り方1のへぎそば試食

つるつるとした食感と多少磯の香りがし、多少ふのりの味がしました。もうちょっとふのりの味が濃いと良いと思います。へぎそば独特の食感の良さが出ていい感じかと思います。溶けずに残った繊維質の部分はそばでいう星のようなつぶつぶとしたアクセントが付き、そばっぽくなり、ふのりを使用している感もあり見た目にも面白いそばになります。

商品としての問題は、乾燥ふのりを1時間煮込んでやっと出来上がった点と、繊維質の部分が残った物をそばにした場合、有名な新潟県のそばは麺につぶつぶがない麺体をしているので、それが受け入れて貰えるか?という問題が出てきます。

作り方2(実験例)

準備したもの

蕎麦粉240g

蕎麦粉240g

作り方1で煮込んだふのり270g

作り方1で煮込んだふのり270g

水

こし機とこし布

こし機とこし布

作り方1で煮込んだふのりを新潟のへぎそばのような綺麗な緑色の麺体にするため、こし布を使用し繊維質部分を取り除きへぎそばを作り比較してみます。こし布を使用すると、つぶつぶ(繊維質部分)は上に残り、綺麗な緑色のふのりが出来上がりました。布の粗さや出来上がったふのりの水分含有量によってこされるふのりの量は変わってきます。それによって味の濃い物などを作ることが出来ると思われます。

維質を取るために作り方1のふのりをこす作業

維質を取るために作り方1のふのりをこす作業1

維質を取るために作り方1のふのりをこす作業2

そば粉とふのりを混ぜ合わせそば玉にした状態

そば粉とふのりを混ぜ合わせそば玉にした状態

茹で上がったへぎそば

茹で上がったへぎそば

作り方2のへぎそば試食

作り方1のへぎそばに比べると繊維質の無い一般的なへぎそばが出来上がりました。しかし綺麗な麺体になりましたが、こしたために味・風味・香りが弱くなりました。また色合いも作り方1のような緑色が出ません。へぎそば独特の食感の良さは変わりませんでした。

比較すると作り方1は味は出るがつぶつぶになり、作り方2は綺麗な緑色の麺が出来上がるが味の弱いそばになる、という結果でした。

作り方3(実験例)

準備したもの

蕎麦粉240g

蕎麦粉240g

粉末ふのり30g

粉末ふのり30g

銅なべ&しゃもじ

銅なべ&しゃもじ

水

作り方1、2では、準備時間の手間がかかりすぎるため粉末ふのりでの代用が可能かテストしてみました。

粉末ふのり煮始め

粉末ふのり煮始め

粉末ふのりが徐々に緑色に変化

粉末ふのりが徐々に緑色に変化

完全に緑色に変化した粉末ふのり

完全に緑色に変化した粉末ふのり

約10分くらいで緑色に変化し、使えるようになりました。しかし粉末ふのりを扱う注意点は、水に溶かす際に粉がダマになりやすく、 そうならない様に上手く水に溶かないとダマになったまま出来上がりますので、ミキサーを使用すれば解決しそうです。

そば粉とふのりを混ぜ合わせそば玉にした状態

そば粉とふのりを混ぜ合わせそば玉にした状態

作り方3のへぎそば試食

粉末ふのりは乾燥ふのりとは若干違う味・香りが出ました。乾燥ふのりを煮込んだ物の方がへぎそばとしての美味しさが出ているように思われます。色合いも乾燥ふのりを煮込んだ方が、綺麗な緑色が出ます。

気になっていたダマは麺にして茹で上げて食べると気になりませんでしたが、粉っぽさはやはり出ていました。

まとめ

綺麗な色を出す場合は、乾燥ふのりを使用した方が良いと思います。しかし、乾燥ふのりは市販のまま使用すると扱いにくいのでミキサーなどで一度細かく粉末状にしたものを煮込むとロスも少なくなり、 煮込み時間の短縮にもなるでしょう。また、今回は実験ということで乾燥ふのりを選別しなかったのですが、他の乾燥ふのりを使用した場合にどうなるのかが気になりました。

粉末ふのりは煮込む時間が早いために扱いやすいという点があります。粉末ふのりを煮込む量の調整により、どの程度の味に仕上げるかという試作でもっと良い方向に向かう可能性があります。

乾燥ふのりと粉末ふのりどちらを使用するにしろ、自己流レシピによって完成させていくと美味しくなると思います。他に、へぎそばと謳わずに店舗独自の食感と喉越しを出すために少量混ぜ込んでオリジナリティを出す方法もあるかもしれないですね!
by ヌキ実

ヌキ実ちゃん